【FP直伝】ライフステージ別「見直すべき家計項目」完全チェックリスト

ライフプランと家計見直し

📝 はじめに

家計の見直しは、単なる節約ではありません。
「今の暮らしを守りながら、将来も安心できるお金の流れを整えること」こそが本質です。
ファイナンシャルプランナー(AFP)の視点から見ると、家計管理は一度きりで終わる作業ではなく、**ライフステージごとに繰り返す“定期点検”**のようなものです。

結婚、出産、転職、住宅購入、定年──。
それぞれの節目で、必要な支出や備えるべきリスクは大きく変わります。
だからこそ、「いま何を見直すべきか」を知ることが、安心した家計を保つ第一歩です。

今回は、20代から60代までの各ステージで“見直すべき家計項目”をまとめた実践チェックリストを紹介します。


✅ 20代:基礎固め期の家計項目

20代は「使う」よりも「整える」時期。まずは土台をつくることを意識しましょう。

  • 固定費の把握(家賃・通信費・サブスクなど)
  • 貯蓄ルールの設定(手取りの10〜15%を目安に)
  • 保険は“最低限の保障”でOK(医療+所得保障)
  • クレジットカードやキャッシュレス決済の管理を一本化

💡参考:金融庁「資産形成の基本

ポイント:
最初に「お金の流れを見える化」しておくことが最も効果的です。
特に通信費やサブスクの見直しは即効性が高く、手取りベースで5〜10%の余裕を生みやすくなります。


✅ 30代:家庭形成期の家計項目

30代は、結婚・出産・住宅購入など、ライフイベントが集中する時期です。

  • 教育費の積立をスタート(学資保険 or つみたてNISA)
  • 住宅ローン返済と貯蓄のバランスを再確認
  • 保険の再設計(生命+医療+収入保障)
  • 家計簿を「夫婦で共有化」して見える化を強化

💡参考:生命保険文化センター「生活設計とリスク管理」

アドバイス:
共働き家庭では「二重保障」が生まれやすいので注意。
夫婦それぞれの加入内容を照らし合わせるだけで、年間10万円以上のムダ削減が可能なケースもあります。


✅ 40代:支出ピーク期の家計項目

40代は教育費・住宅費・保険料が重なり、家計が最も膨らむ時期です。

  • 教育費支出と老後資金の両立を意識
  • iDeCo・つみたてNISAなど老後資金の積立を開始
  • 車の維持費・レジャー費を定期的に見直す
  • 保険の重複・払い過ぎを点検する

💡参考:総務省統計局「家計調査年報」

アドバイス:
40代では「守る力」と「増やす力」を両立させることが大切です。
特に固定費を棚卸しし、年1回の家計リバランスを行うことで、可処分所得を増やせます。


✅ 50代:セカンドライフ準備期の家計項目

50代は「これからの生き方」に直結する支出を整える段階です。

  • 退職金の使い道をあらかじめシミュレーション
  • 公的年金・企業年金の受け取り時期を確認
  • 保険の整理(保障の縮小・解約検討)
  • 趣味・旅行・健康維持費の年間予算を設定

アドバイス:
50代は「資産を守る」フェーズ。
保険を減らしても、医療・介護リスクに備える仕組みを維持することが重要です。
また、資産の取り崩し順番(預金→投資→保険など)を早めに考えておくと、退職後の不安が軽減します。


✅ 60代:収支最適化期の家計項目

収入構造が変わる60代では、支出バランスの再設計が欠かせません。

  • 年金受給額と生活費の差額を可視化
  • 医療費・介護費の上昇リスクに備える
  • 投資リスクを抑え、安定運用へシフト
  • 相続・贈与・遺言の基本を把握

💡参考:厚生労働省「公的年金制度の仕組み」

アドバイス:
「収入を増やす」より「支出を最適化する」考え方が重要です。
生活費を「固定費・変動費・予備費」に分け、予備費を3か月分確保するだけで、医療・介護などの不意な出費にも対応できます。


✅ まとめ:家計の安定は“定期見直し”で作られる

家計の見直しは、一度やって終わりではなく、人生の流れとともに更新していくものです。
毎年1回、固定費・保険・投資・年金を見直す「家計メンテナンス日」を作ることで、無駄が減り、将来への不安が確実に減ります。

今日できることは、まず支出の棚卸しです。
家計の可視化から行動が変わり、行動が変わることで、安心の将来が近づきます。