【FP解説】医療保険とがん保険は本当に必要?加入・見直し判断の3つの基準

保険の見直しとリスク管理

✅ その医療保険、本当に「今の自分」に必要ですか?

「とりあえず加入している」「昔から続けていて解約しづらい」──
そんな理由で、医療保険やがん保険に必要以上の保険料を払い続けている人は少なくありません。

AFP(ファイナンシャルプランナー)の視点では、
保険は“万が一”に備えるものですが、家計にとってのリスクヘッジとコストのバランスが重要です。

今回は、医療保険・がん保険の加入・見直しを考えるための3つの判断基準を紹介します。


✅ 基準①|「公的保障」でどこまでカバーできるか?

日本には世界でも有数に手厚い公的医療保険制度があります。

【主なポイント】

  • 高額療養費制度:1ヶ月の医療費が一定額を超えると、それ以上は国がカバー
  • 傷病手当金:会社員が病気で休んでも給与の約2/3が最長1年6ヶ月支給される
  • 医療費控除・障害年金制度 なども併用可能

💡たとえば、入院+手術で自己負担20〜30万円前後に収まるケースが多く、
「公的制度である程度までは備えられる」という前提で考えることが大切です。

🔗 参考:厚生労働省|高額療養費制度を利用される皆さまへ


✅ 基準②|「貯蓄」でどこまで自己対応できるか?

【考え方】

  • 短期入院(5日〜10日)の出費 → 緊急予備費でまかなえるか?
  • 自由診療(先進医療・抗がん剤など) → 想定額に備えられているか?
  • 長期療養・就業不能リスク → 収入保障や長期療養保険の方が適切なケースも

💡医療費の“頻度”よりも、“大きな出費”への備えを重視。
ある程度の貯蓄があるなら、すべてを保険でカバーしようとしないのが賢明です。


✅ 基準③|「ライフステージ」と家族状況で最適化する

【ケース別の判断ヒント】

ライフステージ加入の優先度保険の見直しポイント
独身・20代低〜中掛け捨て型で最低限、医療費は貯蓄で対応
子育て中中〜高家族の収入が止まるリスクも含めて検討
50代以降がん保障・長期療養・生活支援を重視

👉 保険は“人生の守り”ですが、ライフスタイルや家族構成に応じて**「優先すべき保障」は変わります**。


✅ 加入しているなら、以下の見直しも忘れずに

  1. 保障内容が古くないか?(1日入院5000円 → 実態に合わないケース)
  2. 先進医療保障や一時金型の保障はあるか?
  3. 家族構成に変化があった場合、契約変更しているか?

💡特にがん保険は医療技術の進化や入院短期化によって、見直しの必要性が高い分野です。


✅ まとめ:保険は“安心のためのコスト”──だけど見直しの価値は大きい

医療保険・がん保険は、人生で一度も使わずに終わる可能性もあります。
だからこそ、「安心料」として適正かどうかを定期的にチェックする必要があります。

【加入・見直しの3つの判断基準まとめ】

  1. 公的保障でどこまでカバーできるか?
  2. 貯蓄で自己対応できる範囲はどこか?
  3. 今のライフステージに合った保障になっているか?

保険は「入って終わり」ではなく、「定期的に見直す」ことで、無駄を削りつつ本当に必要な安心を残すことができます。