【FP解説】共働き夫婦の保険設計|“2人で支える”からこそ考えたいバランス保障術

保険の見直しとリスク管理

✅ 共働きでも「保険は最小限でいい」とは限らない

共働き夫婦の多くが、「お互い収入があるから、万が一の備えは少なめで良いのでは?」と考えがちです。
ですが、AFP(ファイナンシャルプランナー)の視点では、2人で家計を支えるからこそ「万が一」の影響は想像以上に大きくなることがあります。

  • 一方の収入が突然ゼロになるリスク
  • 子育てや介護など生活負担の増加
  • 住宅ローンや教育費に連携したライフプラン崩壊

この記事では、共働き家庭ならではの保険設計の考え方と、バランス保障の具体的な工夫を解説します。


✅ 共働き夫婦の保険の基本構造

保険の種類共働き家庭でのポイント
死亡保険どちらに万が一があっても、残された側の生活費や教育費が確保できるように設計
医療保険各自が加入。勤務先の団体保険や健康保険制度も確認
就業不能保険長期入院や療養時に家計への影響が大きいため、一定の備えを

💡「どちらの収入が止まっても家計が回るか?」が、保険設計のカギです。


✅ ポイント①|“生活費と住宅ローン”の分担に合わせて保障設計

【よくあるケース】

  • 生活費は夫がメイン、住宅ローンは妻が名義
  • 子どもの教育費は両者からの積立

👉 この場合、夫婦どちらに万が一が起きても、生活基盤が揺らぐ可能性があります。

【設計例】

  • 収入に応じた**収入保障保険(掛け捨て)**をそれぞれに
  • 団信でカバーされていない分の住宅ローン残高 → 定期死亡保険で補完
  • 教育費の備えは学資保険ではなく、家族口座+積立投資の活用も選択肢に

✅ ポイント②|「片方だけの手厚い保険」は非効率なことも

共働き家庭では、以下のような“偏り”が発生しやすいです。

よくある偏り見直しのヒント
夫だけ死亡保険が大きい妻にも万が一リスクがある。子育て中なら特に重要
妻の医療保険が手厚すぎる勤務先の健康保険・福利厚生と重複していないか確認
配偶者の保障を“家族特約”でカバー名義が本人契約でないと見直し・受取が不便なことも

💡「2人で家計を回している」=「2人ともにリスクがある」という視点が大切です。


✅ ポイント③|“貯蓄×保険”のバランスが家計安定のカギ

【理想的な保険料の目安】

  • 世帯手取り収入の7〜10%以内
  • それ以上なら、保障内容の整理や掛け捨て型への見直しを検討

【見直しの優先順位】

  1. 死亡保障(生活維持の土台)
  2. 就業不能(収入の代替)
  3. 医療・がん保険(大きな出費に備え)
  4. 貯蓄型保険の整理(運用効率の確認)

👉 家計に余裕があれば、貯蓄・資産形成にシフトしていくのが長期的には有効です。

生命保険文化センター|生命保険の「見直し方法」と留意点


✅ まとめ:共働き家庭こそ「家計に合ったオーダーメイド保障」が必要

共働きだからこそ、保険設計はシンプルに、でも“二重リスク”に備える工夫が重要です。

【バランス保障術・3つの視点】

  1. 家計の役割分担に応じた保障配分
  2. 両者に必要な最低限の保険を用意する
  3. 保険と貯蓄の“すみ分け”を意識する設計

家計やライフプランの変化に応じて、定期的な見直しとパートナー間の共有を忘れずに。