【FP解説】学資保険はいらない?NISAで教育費を準備する方法との違い・選び方をわかりやすく解説

保険の見直しとリスク管理

「学資保険はいらない」って本当?

「子どもの教育費を準備するなら学資保険に入った方がいい?」「NISAで投資信託を積み立てた方が増えるのでは?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

以前は子どもの教育費を準備する代表的な方法として学資保険が利用されてきました。しかし現在は、預貯金だけでなく、NISAを活用して投資信託などを積み立てながら教育資金を準備する方法も選択肢の一つとなっています。

ただし、学資保険とNISAはそもそも仕組みが異なります。学資保険には保障機能がある一方、NISAは投資によって資産形成を行う制度であり、運用状況によっては元本割れする可能性があります。「どちらの方がお得か」だけで判断するのではなく、それぞれの役割を理解することが大切です。

AFP(ファイナンシャルプランナー)の視点
教育費は「必要になる時期がある程度決まっているお金」です。そのため、増やすことだけでなく、必要な時期に必要な金額を確保できるかという視点が重要です。

この記事でわかること

  • 学資保険はいらないと言われる理由
  • 学資保険とNISAの違い
  • それぞれのメリット・デメリット
  • NISAで教育費を準備するときの注意点
  • 教育資金を考えるときのポイント

✅基本知識

学資保険とは、子どもの進学時期などに合わせて祝い金や満期保険金を受け取ることを目的とした生命保険の一種です。商品によっては、契約者である親などに万一のことがあった場合、その後の保険料の払い込みが免除されても保障が継続する仕組みがあります。

一方、NISAは投資によって得られた利益が非課税になる制度です。現在のNISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円で、併用すると年間最大360万円まで投資できます。非課税保有限度額は合計1,800万円です。

項目学資保険NISA
主な目的教育資金の準備・保障資産形成
運用保険会社自分で商品を選ぶ
元本割れ途中解約などで起こる場合がある市場変動により起こる可能性がある
保障機能商品によってありなし
換金途中解約では不利になる場合がある保有商品を売却できる

NISAで購入する株式や投資信託などには元本保証がありません。金融庁も、投資商品には預貯金より高いリターンを期待できる一方で、元本割れのおそれがあると説明しています。

✅教育費はいくら準備すればいい?

教育費を考えるときは、「学資保険かNISAか」を先に決めるのではなく、まず将来どの程度のお金が必要になる可能性があるのかを把握することが大切です。

文部科学省は幼稚園から高校までの学習費について定期的に「子供の学習費調査」を実施しています。また、日本学生支援機構(JASSO)の学生生活調査では、大学生などの学費と生活費についても調査されています。

教育費は、公立・私立の違いだけでなく、自宅から通学するか一人暮らしをするか、塾や習い事を利用するかなどによって大きく変わります。そのため、「大学入学時までに○○万円あれば必ず十分」と一律に考えるのではなく、進学パターンをいくつか想定して準備することが重要です。

✅制度・仕組み

学資保険は、契約時に保険料や満期時期などを決め、計画的に教育資金を準備する仕組みです。強制的に積み立てやすい反面、途中で解約すると受け取る解約返戻金が支払った保険料を下回る場合があります。

NISAでは、投資信託などを利用して長期・積立・分散投資を行うことができます。運用益が非課税になるメリットがありますが、NISAそのものが利益を保証する制度ではありません。

確認項目学資保険NISA
積立方法毎月など決められた保険料自分で積立額を設定
受取時期契約時に設定自分で売却時期を決める
運用成果契約内容による市場環境によって変動
途中変更制約がある場合がある積立額の変更・停止がしやすい
親の万一への保障商品によって保険料払込免除などなし

✅比較表

学資保険とNISAには、それぞれ異なる強みがあります。特徴をまとめると次のようになります。

比較項目学資保険NISA
安定性比較的計画を立てやすい価格変動がある
収益性契約時の条件による運用次第で増える可能性がある
元本割れリスク途中解約などでありあり
保障商品によってありなし
自由度比較的低い比較的高い
管理の手間比較的少ない商品選択や運用管理が必要
教育費への使いやすさ受取時期を設定しやすい必要時に売却して現金化

学資保険は「教育費を確実に分けて準備したい」という考え方と相性がよく、NISAは価格変動を受け入れながら長期的な資産形成を目指す仕組みです。どちらか一方だけに決めなければならないわけではなく、それぞれの特徴を理解することが重要です。

✅シミュレーション

教育費の準備では、毎月いくら積み立てるかだけでなく、「必要になるまで何年あるか」が大きなポイントです。ここでは毎月2万円を15年間準備する場合を、複数のケースで比較してみます。

準備方法・想定ケース毎月の積立額15年間の積立元本15年後の金額イメージ
預貯金・運用0%2万円360万円約360万円
NISA・年2%で運用できた場合2万円360万円約419万円
NISA・年4%で運用できた場合2万円360万円約492万円

上記は毎月積み立て、運用益を再投資したと仮定した単純なシミュレーションです。実際の投資信託には価格変動があり、15年後の金額が保証されるものではありません。必要な時期に相場が下落している可能性もあります。

一方、学資保険は契約時に受取時期や保険料が決まるため、将来受け取れる金額を把握しやすい特徴があります。ただし、返戻率や保障内容は商品によって異なり、途中解約すると払い込んだ保険料を下回る場合があります。

✅メリット

学資保険とNISAには、それぞれ異なるメリットがあります。教育費を準備する目的や考え方に合わせて比較しましょう。

方法主なメリット
学資保険教育資金を計画的に分けて準備しやすい
学資保険契約者に万一のことがあった場合の保障がある商品もある
NISA長期運用によって資産が増える可能性がある
NISA運用益が非課税になる
NISA積立額の変更や売却などの自由度が比較的高い

学資保険は「教育費として確実に分けておきたい」という家庭にとって管理しやすい方法です。NISAは長期間の運用ができる場合、預貯金だけより資産形成の可能性を広げられる点が特徴です。

✅注意点

よくある失敗・勘違い注意するポイント
学資保険なら必ず増えると思う商品や途中解約の時期によっては元本割れする場合があります。
NISAなら必ず教育費が増えると思う投資商品の価格は上下し、元本保証はありません。
教育費をすべて投資する進学直前の相場下落に対応できなくなる可能性があります。
返戻率だけで学資保険を選ぶ保険料払込免除や受取時期も確認します。
NISAの非課税だけを重視する投資先のリスクや手数料も確認しましょう。

特に注意したいのが、大学入学など教育費を使う時期が近づいても、全額を値動きのある商品で運用し続けるケースです。必要な直前に市場が大きく下落すると、予定していた教育費を確保できない可能性があります。

教育費を投資で準備する場合は、使用時期が近づくにつれて一部を預貯金へ移すなど、「増やす運用」から「守る管理」へ切り替える考え方も重要です。

✅FPワンポイントアドバイス

AFPとしてお伝えしたいのは、学資保険とNISAを「どちらか一つ」に決める必要はないということです。

例えば、大学入学時に最低限必要と考える資金は預貯金や学資保険で準備し、それより先の教育費についてNISAを利用する方法も考えられます。教育費は使う時期が決まっているため、老後資金のように相場回復を何年も待てるとは限りません。

まずは「いつまでに、いくら必要か」を決め、その金額を安全性の高い資金と値動きのある資金に分けて考えると、家計全体を整理しやすくなります。

✅チェックリスト

  • ☐ 教育費が必要になる時期を確認した
  • ☐ 進学パターンごとの必要額を考えた
  • ☐ 学資保険の返戻率と保障内容を確認した
  • ☐ NISAには元本割れの可能性があると理解した
  • ☐ 生活防衛資金とは別に教育費を準備している
  • ☐ 教育費をすべて一つの方法に集中していない
  • ☐ 使用時期が近づいたときの資金移動も考えた

✅よくある質問

Q. 学資保険はいらないのでしょうか?

一概には言えません。計画的に教育費を確保したい方や、契約者の万一に備える保障を重視する方には選択肢となります。

Q. NISAだけで教育費を準備しても大丈夫ですか?

NISAで購入する投資商品には価格変動があります。教育費を使う時期に値下がりしている可能性もあるため、預貯金などとの組み合わせも考えましょう。

Q. NISAなら元本割れしませんか?

元本割れする可能性があります。NISAは運用益を非課税にする制度であり、元本を保証する制度ではありません。

Q. 学資保険を途中で解約するとどうなりますか?

解約時期によっては、受け取る解約返戻金がそれまでに支払った保険料を下回る場合があります。契約前に解約時の条件も確認しましょう。

Q. 教育費はいつから準備すればよいですか?

準備期間が長いほど毎月の負担を分散しやすくなります。まずは必要時期と目標額を決め、無理のない金額から積み立てることが大切です。

Q. 学資保険とNISAを両方利用してもよいですか?

可能です。それぞれ役割が異なるため、安全性を重視する資金と長期運用する資金に分けて準備する考え方もあります。

✅参考リンク

✅まとめ

学資保険とNISAは、どちらも教育費の準備に活用できますが、仕組みや役割は大きく異なります。学資保険は計画的に教育資金を確保しやすく、保障機能がある商品もあります。一方、NISAは長期運用によって資産が増える可能性がありますが、元本保証はありません。

大切なのは「どちらがお得か」だけで決めず、教育費が必要になる時期、目標額、家計の余裕、価格変動にどこまで対応できるかを考えることです。まずは進学時期ごとの必要額を書き出し、預貯金・保険・投資をどのように組み合わせるか整理してみましょう。

教育費は将来の家計に大きな影響を与える支出です。早めに準備を始め、定期的に積立状況を確認することが、無理のない教育資金づくりにつながります。