【FPが解説】奨学金のメリットと注意点|借りる前に知っておくべき基礎知識

教育費・子供の独立準備

✅ 「借りて大丈夫?」奨学金は“教育の機会”と“将来の借金”の両面を持つ

大学・専門学校への進学に向けて、奨学金の利用を検討する家庭は少なくありません。
ですが、安易に「借りられるから大丈夫」と考えるのは危険です。

AFP(ファイナンシャルプランナー)の視点では、奨学金は将来の家計・進路・ライフプランに直結する選択肢
今回は、「奨学金を使う前に知っておくべきメリットと注意点」を分かりやすく解説します。


✅ 奨学金の基礎知識:給付型と貸与型の違い

種類内容メリット注意点
給付型返済不要の奨学金学業成績や経済状況で対象に希少・審査厳しめ
貸与型(無利子)卒業後返済・利息なし借金感が少ない成績・所得制限あり
貸与型(有利子)卒業後返済・利息あり比較的借りやすい利息・返済負担が大きいことも

👉 主な運営団体:日本学生支援機構(JASSO)
🔗 JASSO|奨学金制度の種類と概要


✅ メリット① 学びの機会を逃さずにすむ

家庭の事情で進学を諦める必要がなく、教育機会の平等を確保できる点は大きな社会的意義があります。

  • 特に「進学後にキャリアの選択肢が広がる」点は、奨学金の大きなメリット
  • 成績優秀者向けの給付型や、入学前予約型の制度もある

💡親の収入だけでは不可能な進路を、奨学金が後押ししてくれるケースも多いです。


✅ メリット② 将来設計を前提に“計画的な負債”として扱える

  • 返済期間・月額返済額が事前に明示されており、借金としては透明性が高い
  • 大学在学中に家計再設計・資産形成を始めるきっかけになることも

👉 「奨学金を借りたからこそ、生活設計に早く向き合えた」という前向きな声もあります。


✅ 注意点① 将来の収入と返済額のバランスを見極める

【例】
大学卒業時に総額400万円を借りていた場合(有利子/返済期間15年):

  • 月額返済:約26,000円前後(利率0.5%で試算)
  • 手取り月収が20万円の場合 → 家賃や生活費に大きな影響

💡就職先・年収見通しとのバランスを事前に試算しておくことが大切です。


✅ 注意点② 親が保証人になる場合の責任

  • 奨学金の多くは「連帯保証人(親)+保証人(親族)」の設定が必要
  • 子どもが返済できなくなった場合、親が代わりに返済義務を負う可能性があります
  • 代わりに「機関保証制度(保証料を支払う)」を選べば、親は保証から外れることも可能

👉 奨学金=“親子共同責任”という意識を持つことが重要です。


✅ 注意点③ 進路変更・中退・病気によるリスクも想定を

  • 中退した場合も、借りた奨学金は返済義務が残る
  • 病気や経済的理由による延滞 → 信用情報に影響する場合も

💡「途中で返せなくなるかも」という万が一の事態を想定しておくことも必要です。


✅ 活用前に考えておくべき3つのステップ

  1. 借りる総額と将来の返済シミュレーションをする
  2. 親子で支援・返済の分担を話し合う(保証人含む)
  3. 奨学金に頼りすぎず、他の支援制度・貯蓄・アルバイトも含めて検討

👉 併用できる教育ローンや地方自治体の給付型奨学金も要チェックです。


✅ まとめ:奨学金は“未来への投資”だからこそ慎重に

奨学金は「未来を切り開く資金」である一方、「長期の負債」でもあります。

【奨学金を利用する前に確認すべきポイント】

  • 無利子か有利子か、給付型の可能性は?
  • 将来の収入見通しと返済可能性は?
  • 親子で負担の線引きはできているか?

冷静な計画のもとで活用すれば、奨学金は大きな人生の味方になります。