📝 はじめに
「老後なんて、まだ先の話でしょ」
そう思っていたのに、ふと気づけばもうすぐ50歳。
人生100年時代と言われる今、**「あと何年働けるか」「いくらもらえるか」「足りない分はどうするか」**といったお金のことが、現実味を帯びてくるタイミングです。
とはいえ、焦らなくても大丈夫。ファイナンシャルプランナー(AFP)の視点から見ると、50歳前後は老後に向けた“お金の棚卸し”をする絶好の機会。この記事では、年金・退職金・資産形成のポイントを、チェックリスト形式で分かりやすくご紹介します。
✅ 1. なぜ「今」が準備のタイミングなのか?
老後まであと10〜15年
たとえば65歳定年なら、残りは15年未満。貯められる期間も運用できる期間も限られます。
今ならまだ軌道修正ができる
積立額を増やす/制度を活用する/生活設計を見直す――柔軟に修正できる余裕が今はまだあります。
遅すぎることはない。でも早い方が選択肢は増える
例:iDeCoは60歳までしか積み立てできません。知った日がスタート日のつもりでOK。
✅ 2. 年金のチェックポイント
年金定期便で「将来もらえる額」を確認
誕生月に届く年金定期便で見込額をチェック。より詳しくはねんきんネット登録がおすすめ。
受給開始年齢の選択肢を理解
- 原則:65歳
- 繰上げ:60〜64歳(減額)
- 繰下げ:66〜75歳(1年あたり約8.4%増/上限あり)
配偶者の年金・加給年金の確認
年下配偶者がいると加給年金対象の可能性。夫婦トータルで受取額を把握。
✅ 3. 退職金のチェックポイント
勤務先の退職金制度を把握
- 退職金制度の有無
- 確定給付(DB)/企業型DC/中退共などの種類
受け取り方で税金が変わる
- 一時金:退職所得控除で有利なケースが多い
- 年金形式:毎年の課税だが、収入平準化の利点も
転職・再雇用時の取り扱い
再雇用は退職金が出ないことも。前職との合算可否も要確認。
✅ 4. 自分年金づくりの準備
iDeCo・つみたてNISAの活用
- iDeCo:60歳まで積立可、所得控除で節税効果大
- つみたてNISA:いつでも引き出せる柔軟性
50代からでも十分に間に合います。
月いくら必要か「ざっくり試算」
例:生活費25万円−年金15万円=10万円の不足
→ 10万円×12ヶ月×20年=2,400万円が目安の準備額
働き方の選択肢も計画に
再雇用/副業/フリーランスなど、就労を続ける選択肢も老後設計のカギ。
✅ 5. ライフプラン全体の見直し
子どもへの支援はどこまで?
結婚・住宅・教育への援助は老後資金に直結。夫婦で上限と方針を共有。
住まいの費用を想定
ローン完済後も修繕・リフォーム費は発生。ダウンサイジングも視野に。
医療・介護の備え
50代からは健康リスクが現実的。医療保険の見直しや介護資金枠の確保を。
✅ まとめ
50歳前後は、老後に向けて**「現状を見える化」**するベストタイミング。
- 年金の受取額・開始時期
- 退職金の制度・受け取り方・税金
- 老後資金のギャップと埋め方
を整理すれば、漠然とした不安が具体的な行動に変わります。今日できる一歩――年金定期便の確認/退職金制度の把握/積立の自動化から始めましょう。未来の安心は、今の“確認と準備”から。

