📝 はじめに
「老後資金って、結局いくら必要なの?」
多くの方が一度は気になったこの疑問。
ニュースなどで話題になった「老後2,000万円問題」ですが、実際は人それぞれ。生活スタイル・家族構成・年金の受取額によって大きく異なります。
とはいえ、複雑な計算は不要。
ファイナンシャルプランナー(AFP)の視点から、誰でもできる「シンプルな計算式」で必要な老後資金を“見える化”する方法をご紹介します。
✅ 老後資金を考える前に押さえておく基本要素
① 毎月の生活費(支出)
老後の生活費は現役時代より減ることが多いですが、実際には月20万〜30万円程度かかる世帯が一般的です。
主な内訳は…
- 食費・水道光熱費・通信費
- 医療費・保険料
- 趣味・レジャー費用
② 公的年金・退職金などの収入見込み
老後の主な収入源は以下のとおり:
- 公的年金(国民年金/厚生年金)
- 退職金
- 個人年金・不動産収入
👉 いくら受け取れるか分からない場合は、**「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」**をチェック。
③ 想定する生活年数とインフレ
- 平均寿命の延び → 90歳〜100歳を見込む必要も
- 物価上昇(インフレ) → 今の支出額では将来足りないリスク
✅ シンプルな計算式で必要資金を試算
老後資金の目安は、以下の計算式で簡単に出せます👇
必要資金 =(月の生活費 − 月の年金収入) × 12ヶ月 × 老後の年数
例:夫婦世帯
- 生活費:25万円
- 年金:18万円
- 差額:7万円
- 老後年数:30年(65歳〜95歳)
👉 7万円 × 12 × 30年 = 2,520万円
他の資産を加味する場合
- 退職金:800万円
- iDeCoやNISAの資産:300万円
👉 2,520万円 − 800万 − 300万 = 残り1,420万円を準備
✅ 生活スタイル別の目安資金
ゆとりある老後(夫婦)
- 生活費:35万円/月
- 年金:22万円/月
👉 必要資金:4,680万円
ほどほどの老後(夫婦)
- 生活費:25万円/月
- 年金:22万円/月
👉 必要資金:1,080万円
シングル世帯
- 生活費:18万円/月
- 年金:12万円/月
👉 必要資金:2,160万円
✅ 足りない分をどう準備するか
貯蓄で備える
- 毎月1万円 × 20年 = 約240万円
- ボーナスや臨時収入を積極的に貯蓄
iDeCo・つみたてNISAで運用
- 税制優遇を活用しながら効率的に増やす
- 長期運用ならリスクを抑えつつ資産形成
定年後も働く
- パート・アルバイトで月5万円 → 年間60万円
- 「健康で働けること」も立派な資産形成
✅ 試算・見直しのポイント
インフレ・医療費・介護費用を想定
- 医療費や介護費用は加齢とともに増加傾向
- 特養ホーム:月10万円〜のケースも
定期的な見直し
- 5年ごとに収支を再試算
- 年金制度・税制改正を反映
- 引っ越し・家族構成変化などにも対応
✅ まとめ
老後資金は「2,000万円なければダメ!」ではなく、自分の生活スタイルに合わせて考えるものです。
今日ご紹介したシンプル計算式を使えば、誰でも目安額を算出できます。
- 老後資金の必要額を“見える化”
- 足りない分の準備方法を検討
- 5年ごとの見直しで柔軟に対応
👉 まずはざっくりでもOK。
「自分にとって本当に必要な準備額」を確認することから始めてみましょう。

