【FP解説】50代夫婦の老後生活費はいくら必要?年金で足りない金額と必要貯蓄額をシミュレーション

老後資金と年金対策

夫婦2人の老後生活費、年金だけで本当に足りる?

「老後は夫婦2人で毎月いくらあれば生活できる?」「年金だけで足りない場合、今からいくら貯めればいい?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

老後資金を考えるときに重要なのは、「老後は2,000万円必要」など一つの金額だけを見ることではありません。

夫婦それぞれの年金額、毎月の生活費、住宅ローン、住居費、医療・介護、退職金などによって必要な貯蓄額は大きく異なります。

そのため、まず「老後の毎月の支出」と「年金などの毎月の収入」を確認し、その差額を何年間補う必要があるのかを計算することが基本です。

AFP(ファイナンシャルプランナー)の視点
老後資金は「何千万円必要か」から考えるより、「毎月いくら不足するか」から逆算するとわかりやすくなります。まず夫婦の年金見込額と老後生活費を確認しましょう。

この記事でわかること

  • 夫婦2人の老後生活費の平均
  • 2026年度の公的年金額の目安
  • 年金で毎月いくら不足する可能性があるか
  • 20年・25年・30年間の必要貯蓄額
  • 今から老後資金を考える方法

✅夫婦2人の老後生活費はいくら?

総務省の「家計調査報告 2025年平均結果」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は、1世帯当たり月平均26万3,979円でした。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯2025年平均
実収入25万4,395円
可処分所得22万1,544円
消費支出26万3,979円
可処分所得と消費支出の差約4万2,000円

平均的な家計では、税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得より消費支出の方が多く、毎月約4万2,000円の差があります。

ただし、この金額をそのまま「すべての夫婦に必要な老後生活費」と考える必要はありません。

家計調査の世帯は持ち家率が高く、家族構成や住居費、車の有無、旅行・趣味なども家庭によって異なります。平均額はあくまで比較の目安として利用しましょう。

✅現役世代の生活費と老後ではどれくらい違う?

同じ2025年の家計調査で、二人以上の世帯のうち世帯主が50~59歳の消費支出は月平均36万7,643円でした。

世帯月平均の消費支出
世帯主50~59歳の二人以上世帯36万7,643円
65歳以上の夫婦のみの無職世帯26万3,979円

単純比較では約10万円の差があります。

現役期には教育費、仕事関連費、交通費などがかかる家庭がある一方、退職後はこうした支出が減少する場合があります。

一方、食費、光熱費、固定資産税、住宅修繕費などは退職後も続きます。また、医療・介護など年齢とともに増える可能性がある支出も考える必要があります。

✅2026年度の年金はいくら?

日本年金機構によると、2026年度の老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの場合、1人当たり月額7万608円です。

また、平均的な収入で40年間就業した場合の「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金額」は月額23万7,279円とされています。

2026年度の年金額の例月額
老齢基礎年金(満額・1人分)7万608円
夫婦2人分の標準的な厚生年金額23万7,279円

ここでいう23万7,279円は、すべての夫婦が受け取れる金額ではありません。

平均標準報酬を賞与込み月額換算45万5,000円として40年間就業した場合の夫の老齢厚生年金と、夫婦2人分の老齢基礎年金を合計した標準的なモデル額です。

実際の年金額は、夫婦それぞれの加入期間や給与水準、働き方などによって異なります。

✅平均生活費と標準年金額を比較すると?

参考として、2025年の夫婦高齢者無職世帯の消費支出26万3,979円と、2026年度の標準的な厚生年金額23万7,279円を単純比較してみます。

項目月額
老後生活費の平均26万3,979円
標準的な年金額23万7,279円
単純な差額約2万6,700円

単純計算では毎月約2万6,700円の差になります。

ただし、この比較には重要な注意点があります。

23万7,279円は年金の額面であり、実際には税金や社会保険料などが差し引かれる場合があります。一方、家計調査の消費支出26万3,979円には税金や社会保険料などの非消費支出は含まれていません。

そのため、老後資金を実際に計算する場合は「年金の手取り額」と「自分たちの生活費」を使って試算することが重要です。

✅年金の手取りが月22万円なら不足額はいくら?

ここからは、わかりやすくするために年金などの手取り収入が月22万円の夫婦を例にシミュレーションしてみます。

老後生活費を月26万円・30万円・35万円の3パターンで比較します。

老後生活費手取り収入毎月の不足額年間不足額
26万円22万円4万円48万円
30万円22万円8万円96万円
35万円22万円13万円156万円

生活費が月26万円なら毎月4万円の不足ですが、月35万円なら毎月13万円不足します。

同じ年金額でも、老後の生活費によって必要な貯蓄額が大きく変わることがわかります。

✅20年・25年・30年間でいくら必要?

毎月の不足額がわかったら、その金額が何年間続く可能性があるかを考えます。

毎月の不足額20年間25年間30年間
3万円720万円900万円1,080万円
5万円1,200万円1,500万円1,800万円
8万円1,920万円2,400万円2,880万円
10万円2,400万円3,000万円3,600万円

例えば毎月5万円不足する場合、20年間では1,200万円、25年間では1,500万円、30年間では1,800万円となります。

この計算には物価上昇、資産運用による収益、年金額の改定、医療・介護費、住宅修繕などは含めていません。

あくまで「毎月の不足額が長期間続くとどの程度の金額になるか」を把握するための単純シミュレーションです。

✅老後資金は生活費不足だけでは足りない

老後資金を計算するときは、毎月の生活費不足だけでなく、まとまった臨時支出も考える必要があります。

  • 住宅の修繕・リフォーム
  • 給湯器やエアコンなど設備交換
  • 車の買い替え
  • 医療費
  • 介護費用
  • 冠婚葬祭
  • 旅行・趣味

例えば生活費不足が25年間で1,500万円、住宅修繕などの臨時支出として500万円を想定する場合、必要資金は単純計算で2,000万円になります。

老後に必要な金額は、生活費だけでなく、年金収入や退職金、現在の貯蓄額によって変わります。50代から必要になる老後資金の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

✅退職金・現在の貯蓄を差し引いて考える

必要な老後資金を計算した後は、すでに準備できている資産を差し引きます。

例えば次のケースを考えてみましょう。

項目金額
生活費不足25年分1,500万円
臨時支出500万円
老後に必要な資金2,000万円
現在の老後用貯蓄700万円
退職金800万円
今後準備したい不足額500万円

このケースでは、「老後に2,000万円必要だから、これから2,000万円貯めなければならない」ということではありません。

すでに準備できている老後用資産と退職金を差し引くと、今後準備したい不足額は500万円になります。

このように、必要額だけでなく「現在いくら準備できているか」をセットで確認することが重要です。

✅50代からあと10年で500万円準備するなら?

先ほどの例では、老後に必要な資金2,000万円に対して、現在の老後用貯蓄700万円と退職金800万円を差し引くと、今後準備したい金額は500万円でした。

仮に60代前半まであと10年間あるとして、500万円を準備する場合を単純計算してみましょう。

準備期間目標額毎月必要な積立額
5年500万円約8万3,300円
10年500万円約4万1,700円
15年500万円約2万7,800円

10年間なら毎月約4万1,700円です。

これは運用益を一切考慮しない単純計算ですが、「あと何年で、いくら準備する必要があるか」がわかると、毎月の積立目標も具体的になります。

✅1,000万円不足する場合は毎月いくら必要?

今後準備したい老後資金が1,000万円の場合も確認してみましょう。

準備期間目標額毎月必要な積立額
5年1,000万円約16万6,700円
10年1,000万円約8万3,300円
15年1,000万円約5万5,600円

10年間で1,000万円なら、運用しない前提では毎月約8万3,300円が必要です。

この金額を見て「毎月8万円以上は難しい」と感じた場合でも、老後資金計画が失敗というわけではありません。

生活費を見直す、働く期間を延ばす、年金の受給開始時期を検討する、退職金を老後資金として残すなど、積立以外にも不足額を調整する方法があります。

✅老後生活費を月3万円下げるだけでも大きく変わる

老後資金では、貯蓄を増やすことだけでなく、毎月の支出を調整することも大きな効果があります。

例えば老後生活費を月30万円から27万円へ3万円減らせたとします。

期間月3万円の差
10年360万円
20年720万円
25年900万円
30年1,080万円

25年間なら900万円の差になります。

老後資金というと投資や貯蓄に目が向きやすいですが、固定費を月数万円見直すことも長期間では大きな効果があります。

✅50代で見直したい固定費

老後生活費を見直す場合、食費などを無理に削るより、毎月継続して発生する固定費から確認すると効果を把握しやすくなります。

  • 住宅ローン
  • 生命保険・医療保険
  • 自動車関連費
  • 通信費
  • サブスクリプション
  • 電気・ガスなどの契約

例えば毎月1万円の固定費を減らせれば年間12万円、20年間では単純計算で240万円です。

老後になってから急に生活水準を大きく下げるのではなく、現役のうちから少しずつ「老後でも続けられる家計」へ移行していく方法があります。

✅住宅ローンが老後まで残る場合は要注意

総務省の高齢夫婦無職世帯の平均生活費を見る際に、特に注意したいのが住居費です。

平均値だけを見て「夫婦なら月26万円程度で生活できる」と考えても、老後まで住宅ローン返済が残る家庭では実際の支出が大きくなる可能性があります。

例えば65歳以降も毎月8万円の住宅ローン返済が10年間続く場合、単純計算では次の金額になります。

毎月の住宅ローン8万円
年間96万円
10年間960万円

老後の生活費を計算するときは、住宅ローン返済額を別に加えて考える必要があります。

ただし、退職金をすべて住宅ローンの繰上返済に使えばよいとも限りません。完済後に手元資金が少なくなると、医療費や住宅修繕などの臨時支出に対応しにくくなるためです。

✅持ち家でも住居費はゼロにならない

住宅ローンを完済していても、老後の住居費がゼロになるわけではありません。

  • 固定資産税
  • 火災保険・地震保険
  • 外壁・屋根などの修繕
  • 給湯器・エアコンなど設備交換
  • マンションの管理費・修繕積立金

特に戸建て住宅では、外壁や屋根、給湯設備などの修繕が重なるとまとまった金額が必要になることがあります。

毎月の生活費とは別に、住宅維持費の予備資金も考えておきましょう。

✅賃貸なら老後も家賃が続く

賃貸住宅の場合は、老後も原則として家賃の支払いが続きます。

例えば家賃8万円の住宅に25年間住むと仮定すると、単純計算では2,400万円です。

もちろん将来の住み替えや家賃変動などもあるため、この金額がそのまま必要になるとは限りません。

重要なのは、平均的な老後生活費ではなく、自分たちが老後も負担する住居費を家計に反映することです。

✅退職金は全額使わず老後資金として考える

退職金は老後資金計画を大きく左右する資金です。

住宅ローンの一括返済、リフォーム、車の購入、旅行などに使うと、まとまった金額が短期間で減る可能性があります。

退職金を受け取る前に、まず次のように用途を分けて考えてみましょう。

用途考え方
毎月の生活費不足年金で不足する分を補う
生活予備資金急な支出に備える
住宅関連費修繕・ローンなど
医療・介護将来の支出に備える
余裕資金旅行・趣味など

退職金を「臨時収入」として考えるのではなく、老後数十年間を支える資産の一部として位置付けることが重要です。

✅50代からNISAで老後資金を準備する場合

50代から老後資金を準備する方法として、NISAを利用した資産形成を検討するケースもあります。

NISAでは対象となる株式や投資信託などから得られる売却益・配当等が非課税になります。

ただし、NISAを利用しても投資した元本が保証されるわけではありません。

特に老後までの期間が限られている場合、老後直前に市場が大きく下落する可能性も考えておく必要があります。

そのため、老後資金すべてを値動きのある資産にするのではなく、近い将来に使うお金と長期間使わないお金を分けて考えることが重要です。

✅老後直前に株価が下落したらどうする?

例えば老後資金として1,000万円を投資していて、退職直前に資産価格が20%下落したと仮定します。

下落前1,000万円
20%下落▲200万円
下落後800万円

退職直後からこの資金を取り崩す予定だった場合、相場の回復を待てず、値下がりした状態で売却する可能性があります。

老後が近づいたら、数年以内に使う予定の資金を預貯金などへ分けることも、資産管理を考えるうえで重要な視点です。

✅年金は「ねんきん定期便」で確認する

老後資金のシミュレーションで最も重要な数字の一つが、自分たちの年金見込額です。

標準的なモデル年金額ではなく、夫婦それぞれの「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を確認しましょう。

50歳以上のねんきん定期便では、現在の加入条件が60歳まで継続したものとして計算した老齢年金の種類と見込額などを確認できます。

夫婦それぞれの見込額を合計すると、老後の収入をより具体的にシミュレーションできます。

✅年金の繰下げ受給という選択肢もある

老齢基礎年金・老齢厚生年金は、原則65歳から受け取れますが、66歳以後75歳までの間で繰り下げて受給することもできます。

繰下げ受給では1か月遅らせるごとに0.7%増額され、増額率は生涯変わりません。

受給開始増額率
66歳8.4%
70歳42.0%
75歳84.0%

ただし、繰下げ期間中は年金を受け取らないため、その間の生活費を別の収入や資産で確保する必要があります。

税金・社会保険料、加給年金額などへの影響もあるため、「増額率が高いから必ず繰り下げた方が得」とは一概にいえません。

✅働く期間を延ばすと老後資金はどう変わる?

老後資金を増やす方法は、貯蓄や投資だけではありません。

60歳や65歳以降も働くことで、資産を取り崩し始める時期を遅らせられる可能性があります。

例えば、生活費30万円に対して年金などの手取りが22万円なら毎月8万円不足します。

この不足期間を5年間短くできたと仮定すると、単純計算では次のようになります。

毎月の不足額8万円
年間96万円
5年間480万円

働き方や収入によって実際の結果は異なりますが、老後資金では「いくら貯めるか」と同時に「いつまで働くか」も大きな要素になります。

✅老後資金の基本計算式

老後資金は、次の順番で考えると整理しやすくなります。

①毎月の生活費-毎月の年金手取り額=毎月の不足額

②毎月の不足額×12か月×老後期間=生活費の不足総額

③生活費の不足総額+臨時支出=老後に必要な資金

④老後に必要な資金-現在の老後用資産-退職金など=今後準備したい金額

この方法なら「老後資金は2,000万円」「3,000万円」といった一般的な数字に振り回されず、自分たちの家計をもとに考えることができます。

老後資金を考える際は、必要額だけでなく、現在の貯金が同世代と比べてどの程度なのかを確認するのも一つの方法です。50代の貯金額の平均・中央値と老後資金の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

✅FPワンポイントアドバイス

AFPとして老後資金を考える際に特に重視したいのは、「老後に必要な総額」だけを見ないことです。

例えば3,000万円必要という試算が出ても、退職金が1,000万円、現在の老後用資産が1,500万円あれば、これから準備する金額は500万円です。

反対に老後生活費を低く見積もっても、住宅ローンや家賃、住宅修繕費などが大きければ必要資金は増えます。

50代では、まず夫婦の年金見込額、現在の金融資産、退職金の見込額、住宅ローン残高を一度一覧にしてみましょう。

そのうえで老後の生活費を月25万円・30万円・35万円など複数のケースで計算すると、家計がどこまで対応できるのか見えやすくなります。

老後資金は一度計算して終わりではありません。年金見込額、働き方、物価、住宅ローン、資産残高などが変わったら定期的にシミュレーションを更新しましょう。

✅老後資金チェックリスト

  • ☐ 夫婦それぞれの年金見込額を確認した
  • ☐ 年金の額面ではなく手取りも想定した
  • ☐ 現在の毎月の生活費を把握した
  • ☐ 老後に減る支出を確認した
  • ☐ 老後も続く固定費を確認した
  • ☐ 住宅ローンの完済時期を確認した
  • ☐ 賃貸なら老後の家賃を計算した
  • ☐ 住宅修繕費を想定した
  • ☐ 医療・介護などの予備資金を考えた
  • ☐ 現在の老後用資産を確認した
  • ☐ 退職金の見込額を確認した
  • ☐ 毎月の不足額を計算した
  • ☐ 20年・25年・30年の複数パターンで試算した

✅よくある質問

Q. 夫婦2人の老後生活費はいくらが目安ですか?

総務省の2025年家計調査では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月平均26万3,979円です。ただし、住居費や生活水準などは家庭によって異なるため、自分たちの支出から計算することが重要です。

Q. 夫婦なら老後資金2,000万円あれば足りますか?

一概にはいえません。毎月の年金額と生活費の差、老後期間、住宅費、医療・介護費、退職金などによって必要額は異なります。

Q. 年金だけで生活できますか?

夫婦の年金受給額と生活費によります。年金の手取り額が生活費を上回る家庭もあれば、毎月不足して貯蓄を取り崩す家庭もあります。

Q. 50代から老後資金を準備するのは遅いですか?

準備期間は若い世代より短くなりますが、現在の資産、退職金、年金見込額、支出を確認することで今後必要な金額を具体化できます。貯蓄だけでなく、固定費や働く期間なども老後収支に影響します。

Q. 老後資金は貯金とNISAのどちらで準備すればいいですか?

役割が異なります。預貯金は価格変動を避けたい近い将来の支出に使いやすく、NISAでは投資による資産形成を行えますが元本保証はありません。使用時期に応じて資金を分けて考える方法があります。

Q. 退職金で住宅ローンを完済した方がいいですか?

住宅ローン金利、残高、返済期間、退職後の収入、手元資金などによって異なります。完済することで毎月の支出を減らせる一方、退職金を大きく使うと老後の生活予備資金が減るため、両方を比較する必要があります。

Q. 老後生活費は現在の生活費をそのまま使えばいいですか?

そのままではなく、老後に減る支出と残る支出を分けて考える方法がわかりやすいでしょう。教育費や仕事関連費が減る一方、医療費や住宅修繕費などが増える可能性があります。

Q. 何歳までの老後資金を計算すればいいですか?

一つの年齢だけに決めず、例えば65歳から85歳までの20年、90歳までの25年、95歳までの30年など複数の期間でシミュレーションすると不足額を比較しやすくなります。

✅参考リンク

✅まとめ

総務省の2025年家計調査では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月平均26万3,979円でした。

一方、2026年度の標準的な厚生年金額は、夫婦2人分の老齢基礎年金を含め月23万7,279円です。ただし、これは一定の条件によるモデル年金であり、すべての夫婦がこの金額を受け取れるわけではありません。

老後資金を考えるときは、「老後は2,000万円必要」といった一般的な数字ではなく、夫婦それぞれの年金見込額と自分たちの老後生活費から不足額を計算することが重要です。

例えば毎月5万円不足する状態が25年間続けば、単純計算で1,500万円必要です。さらに住宅修繕、医療・介護、車の買い替えなどの臨時支出も考えておく必要があります。

その一方で、現在の貯蓄や退職金など、すでに準備できている資産を差し引けば、これから準備する金額は小さくなります。

50代では、まず「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で夫婦それぞれの年金見込額を確認し、現在の金融資産、退職金の見込額、住宅ローン残高を一覧にしてみましょう。

そのうえで、老後生活費を月25万円・30万円・35万円など複数のケースで計算し、20年・25年・30年と期間を変えてシミュレーションすると、自分たちに必要な老後資金が見えやすくなります。

老後資金づくりでは、貯蓄額を増やすだけでなく、固定費の見直し、住宅ローン、退職金の使い方、働く期間などを含めて家計全体で考えることがポイントです。